機械安全ープロセスプラントにおける安全設計
化学系のプロセスプラントには回転機や圧力容器あるいは塔や反応器などの多種多様な機器や機械が設置されています。これらの機器や機械の安全性を確保するために、つまり機械安全のために数多くの規格や法律が制定されています。
プロセスプラントを含め、製造生産現場での安全を確保するためには機械自体が損傷することなく動くだけでなく、機器や装置を動かす人間の保護を確保しなければなりません。つまり機械を主体とした狭い意味での機械安全と、人間をリスクから保護するための労働安全が必要となります。この機械安全と労働安全に関する入門書としてはオムロンの機械安全入門がお薦めです。そこには以下のように記載されています。
「機械安全」とは、機械の設計手順や安全防護(安全装置)などの機械本体に関わる安全をさします。機械安全は機械が壊れても、人が間違えても、技術によって安全を確立する考え方です。「労働安全」とは、作業者の意識や行動、作業手順などの運用に関わる安全をさします。よって、人と教育に依存した安全と言えます。
機械安全に関する情報発信Webの一つとして”中災防(JISHA)の機械安全とは”があります。この中で、機械の安全化を進める上での三つの大前提と、機械の安全化の三原則が紹介されています。機械安全化の大前提は絶対安全は存在しないとの原理(?)から、以下の三項目が示されています。
- 人はミスをする
- 機械は故障する
- 絶対安全は存在しない
また、機械も人間もミスを犯しますが、それを現実的なレベルまで許容するという前提(これが安全の定義ですが)から、以下の機械安全化の三原則が示されています。
- 本質安全の原則:機械の危険箇所(危険源)を除去する、又は人に危害を与えない程度にする。例えば、角部を丸くする、作動エネルギーを小さくするなど。
- 隔離の原則:人が機械の危険源の接近・接触できないようにする。例えば、柵や囲い等のガードを設ける。
- 停止の原則:一般的に機械が止まっていれば危険でなくなるので、人が機械の動作範囲に入る場合は、インターロック等で機械を停止させる、又は停止してから入場を許可する。
この中で隔離の原則があります。例えば金網などのフェンスやロープで立ち入り区域を囲うだけで人は入ろうとしません。そこに”危険”などの注意書きを貼っておけばさらに万全です。
プロセス安全はプロセスプラントに含まれる全ての機器や機械を対象に、機械安全(労働安全を含む)をシステム化したものです。ここで機械安全を運転制御安全と改めてプロセス安全を以下のように定義します。
プロセス安全=機械安全+運転制御安全
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