危険性物質ープロセスプラントにおける安全設計
危険性物質とは火災や爆発の原因となる危険物質と中毒や障害を起こす有毒劇物の総称です。化学プラントでは多くの危険性物質を扱っていますので、危険性物質を原因とする災害事例が数多く発生しています。
日本国内では危険性物質を規制するために下記に示す法律が施行されています。
- 消防法危険物
- 労働安全衛生法
- 高圧ガス保安法
- 火薬類取締法
- 毒物および劇物取締法
- 化学物質の審査および製造などの規制に関する法律
前出の厚生労働省の”職場のあんぜんサイト”に”化学物質による災害事例”が紹介されています。そこにはあいうえお順で亜鉛から六フッ化硫黄までの200弱の化学物質による災害事例が記載されています。特に災害事例が多い化学物質としては30種類で、その中にはアセチレンなどの可燃性ガスから硝酸や硫酸あるいは水酸化ナトリウムなどの腐食性物質があります。
これ以外に有害性物質があります。日本のことわざに「毒にも薬にもならない」がありますが、これは「害にならない代わりに、役に立つこともない、あってもどうでもいいもの」を意味しています。これと似て非なる言葉があります。それが「あらゆるものは毒であり、毒なきものなど存在しない」で、表現を変えると有毒性物質を意味しています。この言葉を最初に述べたのはスイス人医師のパラケルススで、例えばニトリグリセリンは爆薬ですが、狭心症の治療薬として使用されています。
先ほどの”化学物質による災害事例”を整理しなおしますと、以下のようになります。
- 火災や爆発の原因となる危険物質:アセチレンや水素、メタン・プロパン・ブタン、アセトンやエタノール、アルミニウムや硫黄
- 中毒や障害を起こす有毒劇物:アンモニア・酢酸エチル、アセトン・キシレン・トルエン・メタノール、窒素・一酸化炭素・二酸化炭素・硫化水素、塩素・塩化水素(塩酸)・硫酸・水酸化ナトリウム
- 酸欠:アルゴン、二酸化炭素、フロン、プロパン
特に一酸化炭素や硫化水素および塩素ガスによる中毒やトルエンによる中毒が多く報告されています。
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