プロセス開発と商品化 その1「プロセス開発と必要な技術」
今回から”プロセス開発と商品化”について述べていく予定です。第1回目は「プロセス開発とは」で、関連するキーワードは「フラスコからプラントへ」・・・。
実験室レベルで開発された製品を商品化するためには”プロセス開発技術”という特殊なテクニックが必要となります。何が特殊かというと、一般的なプラントエンジニアリングとは違って、プロセスの開発には”わからない”あるいは”経験していない”ことが多々あるからです。
一般的なプラントエンジニアリングは(誤解を招かないで欲しいのですが)マニュアルエンジニアリングです。これは実は仕方のないことで、ミスを少なくして品質を向上させるためには定型化あるいはマニュアル化したエンジニアリングがベースとならなければならないのです。
逆説的に言いますと、マニュアルを作成しようとする機運が出てくるタイミングは、そのプロセスの成長が止まる時期と重なっているようです。もちろん、これは私の個人的な意見ですが・・・。
プロセス開発においてプロセスエンジニアに必要な知識は、数多くの実験や試験から意味ある結果を抽出し、そこからエンジニアリングに必要なパラメーターを見出し、そしてエンジニアリングの段階で欠陥を探し出す洞察力です。
この洞察力を養うためには何が必要か。その一つはものの流れを想像できるイマジネーションです。
プロセスプラントは装置や機器、それを結びつける配管や制御弁などの計装機器から構築されており、その中を流体や物体が動き回ったり移動する有様を理解できれば必要なエンジニアリングが何か、そして起こりうるトラブルを未然に防ぐことが出来ます。そのためには流れ学あるいは流体力学についてもう一度学習することです。それも色々な流れの有様を実験やシミュレーションで理解することです。
具体的には以下のようなフローパターンですが、あなたも一度は見たことがあると思いますが・・・。
- 曲がり付近のフローパターン
- 容器から配管に流出する際のフローパターン(縮小)
- 配管から容器へ流入する際のフローパターン(拡大)
- 配管を流れる二相流のフローパターン
- ノズルから流出する際のフローパターン
- 圧縮機やポンプなどの回転機内のフローパターン
その次に必要なものは、三次元的なものの見方です。これについては次回に。
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