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2009年10月18日 (日)

システムインテグレーション その8 ”インテグレーションは整理整頓?”

スチームタービンの形式を単に復水タービンから背気タービンに変えると、同じ動力を得るために必要なスチーム量は増加します。

例えば、スチームタービンや遠心圧縮機などの回転機メーカーであるDRESSER-RANDのホームページから”Steam Products Estimation Tool”にアクセスして、復水タービンと背気タービン性能を比較してみよう。

前提は10,000kWの発電用スチームタービンで、入口スチーム条件を40bara & 350℃としてスチーム消費量を求めると、

  1. 背気タービン
    Inlet Pressure 40bara Flange Dia. 10 
    Inlet Temperature 350Deg. C
    Exhaust Pressure 3bara Flange Dia. 24 Exh. Temp. 133
    Inlet Flow 89,640kg/hr
    Desired Turbine Speed 3600rpm
  2. 復水タービン
    Inlet Pressure 40bara Flange Dia. 8 
    Inlet Temperature 350Deg. C
    Exhaust Pressure 0.16bara Flange Dia. 48 Exh. Temp. 56
    Inlet Flow 49,729kg/hr
    Desired Turbine Speed 3600rpm

両者のスチーム消費量を比較すると、背気タービンで約90ton/h、復水タービンで約50ton/hと大きな差がある。これではボイラー容量が倍近くになり、せっかく生み出した背気スチーム量も必要以上に多くなって使い道がなくなり、省エネルギーどころかエネルギーの浪費になってしまう。

ではどうすれば良いか?

唯一の回答は必要動力を減らすこと。つまり、徹底的に省エネを行って、必要動力を10,000kWから例えば6,000kW程度に減らすことで復水タービン並みにスチーム消費量を減らし、背気タービン形式の採用を可能にするのである。

なんだ、そんなことかと思われるかもしれないが、急げば回れでまず足元から省エネを行い、そこで生み出されたスチームを再利用して他のシステムとのインテグレーションに進む。

具体的な事案として、発電用スチームタービンと海水淡水化設備とのシステムインテグレーションを考えてみたい。

さて、この続きは次回に・・・。

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