システムインテグレーション その1 ”インテグレーションの形態”
前回の予告と変えて、インテグレーション(統合とか一体化)の形態について説明したい。
インテグレーションには幾つかの形態がある。一つはプラントの中核であるプロセスプラント(製品製造に関わる設備や装置)とユーティリティー設備(用役設備)とのインテグレーション、もう一つはプロセスプラントと他のプロセスプラントとのインテグレーション、これ以外に複数のプロセスプラントユーティリティーとのインテグレーションがある。
その一例としてリファイナリー・コンプレックス(石油精製コンプレックス)がある。このリファイナリー・コンプレックスではガソリンや軽油、そしてLPGガスなど多くの製品が生産される。また下流の設備では残った重質分からさらにガソリンや重油などが生産される。
このリファイナリー・コンプレックスには脱硫用の水素ネットワークやスチームネットワークが構築されており、製品からユーティリティーまでの巨大なインテグレーション・システムが存在する。
このような巨大なコンプレックスではないが、無機化学(肥料)分野でもアンモニアと尿素プラントやアンモニアとメタノールプラントのインテグレーションが考えられており、すでに実用化している。これらのインテグレーションの媒体は炭酸ガスである。また、アンモニアプロセスの中にメタノールプロセスの一部を組み込み、需要の変動を併産でカバーする試みも行われている。
次回は私が経験したインテグレーションについて説明し、全体のエネルギー消費量を削減するための方策を考えてみたい。
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