原単位についての覚え書き その1
原単位について先日、「プラントの品質は原単位により左右される」を公開いたしました。
この中で、”原単位とプラントの原単位は建設コストと同様に、客先がプラント建設にゴーサインを出すかどうかを判断する上で重要なポイント”と説明しましたが、もう一つ重要な役割があります。
それはプラントに採用するプロセスを決定する際の評価項目だからです。
プラント建設が公表されプロジェクトの見積仕様書がオープンになりますと、有力なエンジニアリングコントラクターがその見積仕様書に基づき見積書を作成します。その際に、保有しているプロセスをベースに単位製品量当たりの原料消費量やエネルギー消費量を算出し、原単位として客先に提出します。
客先は各社から提出された見積内容の是非を論じるために、あらかじめ評価項目を定めておきます。その項目毎にA社のプロセスは何点、B社のプロセスは何点、C社のプロセスは何点と点数を付け、各項目に重みを付加して全ての項目の点数を合計し総合点を算出します。それをもとにプロセス評価を決定します。
客先はこのプロセス評価を注意深く検討し、もし仕様書に逸脱している内容が見つかればエンジニアリングコントラクターに是正させるか、再検討を要求します。このようにすることで各社の見積書を同じ土俵に乗せることが出来、客観的なプロセス評価が可能となります。
つまり、見積書は一度出せば終わりではなく、出した後が本番なのです。つまり、数週間も数ヶ月もかけた競争(コンペティション)が始まるのです。
この間にプロセス評価を少しでも良くするために、最後の最後まで激烈な”原単位競争”が密かに各社間で行われます。この中心となるのがプロセスエンジニアであり、まさに胃が痛くなるようなきつい仕事です。
さて、この原単位競争に勝利するためにはどうすれば良いでしょうか?
次回は、そのあたりについてお話したいと考えています・・・。
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