原単位についての覚え書き その2
原単位競争の中で勝利するため、あるいは原単位を改善するためにはどうすれば良いのでしょうか?
原燃料の消費量を削減するために、いきなり物質収支や熱収支の計算をやり直すことは愚の骨頂です。まず、しなければならないこと、あるいは確認すべきことは、
- 原単位を構成する項目を確認すること:一般に原単位は製品量当たりの原料や燃料の消費量だけではなく、電気やスチームあるいは工業用水などユーティリティ消費量の合計です。項目に抜けがないかどうかを確認します。
- 原単位の単位を確認すること:項目毎に単位が違いますので、合計する場合の基準単位を確認します。例えば、原料が天然ガスの場合、単位は流量(kmol/h,Nm3/h,kg/h)あるいは熱量(kJ/h,kW)が多いのですが、エネルギーコスト($/kJ,$/GJ,$/MW)を使用する場合もあります。もし、原単位項目に電気消費量が含まれている場合には、天然ガスとの相性を考慮してエネルギーコストを使用することが多いようです。
- 各項目の重みを確認すること:2の「原単位の単位」に関連しますが、原単位比較のベースがエネルギーコストとした場合、原料と電気、それぞれの消費量に対し重みを付けることがあるようです。
以上の確認項目を見るだけでもわかるように、原単位の計算と評価には複雑な要素を含んでいます。
その背景にあるのは、原単位を構成する項目の「取引単価あるいは製造単価」と「入手の容易さ」にあるように思われます。
次回はこの「・・・単価」あるいは「・・・コスト」についてお話しします。
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