プロセスエンジニアのためにウェブサイト

最近のトラックバック

« プロセスの構築15 発生スチーム量の計算 | トップページ | プロセスの構築17 合成ガス循環機軸馬力計算 »

2008年5月 9日 (金)

プロセスの構築16 エタノール合成設備のエネルギー収支

以下の内容もコムテック・クウェストのホームページに先行して記述した内容とほぼ同一です。すでにホームページの”How to design"の§6.7「エタノール合成設備のエネルギー収支」を見られた方は読み飛ばして下さい。

エタノール合成設備の基本設計もスチームバランスの検討の段階に入ってきました。
そこでプラント設備全体のエネルギー収支(熱収支も含む)について前もって説明しておきます。

このエネルギー収支(エネルギーバランス)は熱収支に電力などの形態の異なるエネルギーを含めたもので、入エネルギー(energy input)と出エネルギー(energy output)から構成されています。入エネルギーの主なものは原料、燃料、外部からのスチームや温水、冷却水や冷水、そして電力などで、一方の出エネルギーには製品や副製品、排ガスや廃液などの廃棄物、余剰になったスチームや凝縮水、温水・冷却水・冷水の外部への戻りなどが含まれます。

エタノール合成設備全体のエネルギー収支を考えてみますと、以下のようになります。ただし、エネルギー収支は以前説明しました”物質熱収支計算結果”とは以下の点で異なっていますので、ご注意下さい。

  1. 合成ガス循環機の電力が加算された
  2. 合成管出口ガス冷却熱が冷却水供給と冷却水戻りに分割された

入エネルギー(energy input)

  1. 水素(H2):原料①として設備内にinputされる
  2. 二酸化炭素(CO2):原料②として設備内にinputされる
  3. 冷却水供給:冷却媒体として合成管出口ガス冷却器にinputされる
  4. 電力:動力源として合成ガス循環機にinputされる

出エネルギー(energy output)

  1. 粗エタノール:製品として設備外にoutputされる
  2. パージガス:廃棄物(排ガス)として設備外にoutputされる
  3. スチーム:熱回収の結果としてエタノール合成管から設備外にoutputされる
  4. 冷却水戻り:ユーティリティー戻りとして合成管出口ガス冷却器から設備外にoutputされる

この中で”水素”、”二酸化炭素”、”粗エタノール”、”パージガス”および”スチーム(合成管熱回収量)”は量的に把握されており、”冷却水供給”と”冷却水戻り”もその差し引きが合成管出口ガス冷却器の冷却負荷としてわかっています。ただ一つの”合成ガス循環機”のみが計算されていませんので、次回はこの計算方法などを説明します。

« プロセスの構築15 発生スチーム量の計算 | トップページ | プロセスの構築17 合成ガス循環機軸馬力計算 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: プロセスの構築16 エタノール合成設備のエネルギー収支:

« プロセスの構築15 発生スチーム量の計算 | トップページ | プロセスの構築17 合成ガス循環機軸馬力計算 »

2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

考えてみたいこと

無料ブログはココログ