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2008年4月11日 (金)

プロセスの構築11 ユーティリティーシステム&合成管熱回収

エタノール合成は発熱反応なので、反応を持続させるためには反応熱を適切な手段で除去する必要がある。そのために以下のような方式が採用される。

  1. クエンチ方式:加熱前の合成管供給ガスの一部を取り出し、合成管の適所に直接供給して温度を制御する
  2. 熱交換器方式:合成管構造を熱交換器形式にして、適当な冷却媒体にて間接的にガス温度を制御する

クエンチ方式では反応熱を希釈するために熱回収は出来ないが、熱交換方式では冷却媒体を使用するので熱回収が可能となる。また、必要な触媒量もクエンチ方式に比べ少なくなる。そのために、このどちらを選択するかは、(合成管+触媒)のハードコストと熱回収されたエネルギーコストの両者を比較して決めることになる。

例えば、冷却媒体として温水を選定し、蒸発させることで反応熱を回収するケースでは、発生スチーム量は次式で計算できる。つまり、

発生スチーム量=冷却負荷÷スチーム潜熱
          =43,688×3600kJ/h÷2,113kJ/kg
          =74,433kg/h

つまり、毎時約74ton強のスチームが回収できる。ただし、スチーム条件を150℃の飽和蒸気としています。

なぜ、このような条件を選んだのかについては、もう少し議論が必要ですので、次回にまわしたいと思います。

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