プロセス設計に必要な基本事項
プラントのプロセス設計に必要な基本事項としてまず最初に挙げる項目は、原料と製品の種類と仕様です。この二つがなければプラントの設計がスタートできません。
プロセス設計に関する説明をより分かり易くするために、仮想的なプラントを設定しましょう。
製品:エタノール(代替燃料として利用)
原料:二酸化炭素(炭酸ガス)と水(誤解が無いように言っておきますが、現在このような方法でエタノールを作ることは出来ません)
製品の種類や仕様は原料の種類や仕様を限定したり、あるいはプロセス(工程)構成を大きく変更する場合がありますから、どの国の規格が適用されるかも含め注意して設定する必要があります。
日本の燃料エタノールの規格として社団法人自動車技術会規格があります。これによれば、エタノールの純度は99.5vol%以上、メタノールは4g/L以下、水分は0.7wt%以下と規定されています。このvol%とは体積%を意味しており、wt%は重量%を意味しています。因みにアメリカのエタノール純度は92.1vol%以上となっています。
そこで、エタノールの規格としては社団法人自動車技術会規格を準拠することにします。また、水の規格には日本薬局方規格、水道法規格、工業用規格(JIS)等があり、ここでは工業用規格(JIS)を採用することにします。
ここでようやく原料と製品の種類と仕様が決まりました。ただし、工業用規格に規定されている水の仕様(純度)は一律ではなく、使用条件によって異なります。これも初めに決めておく必要があります。この先は次回に説明したいと思います。・・・続く
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