プロセスの構築1
前回の終わりに述べた”プロセスの内容を設定する”とはいったいどういう事でしょうか?
それは原料から製品を製造する手順や手段、つまり工程を具体的に決めることです。この工程とは化学工学の単位操作の組み合わせに相当し、プラントにおいては設備や装置に該当します。
ここでは水と二酸化炭素からエタノールを製造するプロセスを設計するのですから、工程を決めるためにしなければならないことは、
(1)水と二酸化炭素からエタノールを作るための方法(合成反応)を決める。
(2)反応の温度圧力条件を設定する。
(3)製造したエタノールを製品仕様にするための処理方法を決める。
(4)原料である水と二酸化炭素を(2)の反応条件にするための手段を決める。
(4)は原料の使用条件で、”流れから言えば最初に決めなければ?”と考えるでしょうが、このようなプロセス設計では最後に決めることになります。
まず、(1)の方法(合成反応)を決めるのですが、ここでは以下の手順でエタノールを合成することにします。(他にも色々な経路が考えられますが、詳しい議論は後ほど)
(1)水(H2O) H2O → H2 + 0.5O2
(2)二酸化炭素 CO2
(3)エタノール合成 2CO2 + 6H2 → C2H5OH + 3H2O
つまり、水から水素を作ります。この手段としては、地球環境へ配慮して、例えば太陽光を利用した高温電気分解などが考えられます。次に水素と二酸化炭素を合成装置に供給しエタノールを合成製造します。二酸化炭素の確保については別途議論します。
これで(1)の合成反応が決まりました。次に合成反応の運転条件を決める必要があります。これは次回に・・・。
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