科学技術

2006年8月 2日 (水)

欠陥 その一

昨日、パロマの父子社長が記者会見の折に「構造的欠陥ではない」と言ったそうだ。

「構造的欠陥ではない」との会社側の言い分に対して遺族側は猛烈に反発しており、補償金などによる交渉妥結までは相当な時間を費やすと見た。

「構造的欠陥」の定義は決して企業だけで決めるものではなく、その商品を購入し使用する消費者や社会全体が決めるものであると私は信じている。その意味から言えば、販売店が商品の一部を勝手に変えたりしたとしても、実際にその商品を使用した結果、相当数の人が死亡し、今も後遺症で困っている人が多いことを考えると、以下の理由によりこの商品は欠陥であると断定できる。

(1)誰でも(販売業者あるいは会社?)商品内部にアクセスでき、その内部構造の一部を容易に改造することが出来る。
(2)その改造により安全装置(ファンが回転していないと着火しない)をバイパスし、重大な事故を招く可能性が十分にある。
(3)改造に至る背景を理解していながら、構造を改良するなどの対策を全然取っていない。

このように、長い時間、何らの対応もせず、改良もリコールもしなかったメーカーの責任は非常に重いと言わざるを得ない。これは会社の首脳部の怠慢と事なかれ主義の結果以外に考えられない愚かな行為である。会社の首脳部は責任を取って辞任すべきと思うが、そこで働いている一人一人の技術者たちは今何を考えているのだろう?黙って見ていて良いのだろうか?

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