16日のブログに中国について書いてみたので、今回は何かと中国と比較されるインドについて書いてみた。
きっかけは表題にあるように17日の日経BPネットに乗っていた伊藤洋一氏の「インド、中国の原発大国への道」の内容である。この記事の中で、伊藤氏はインドと中国の急接近と両国のエネルギー政策、特に原発建設に対する見方について以下のように述べている。
筆者(伊藤氏)は、この2頭の巨象はどちらにせよ、当面は原発への依存を高めると思う。だったら、「両国にとっての安全な原発」の建設に協力すべきだと思うが。
これに対する私の意見も同じであり、日本としても協力すべきだと思う。勿論、原発が潜在的に持っているリスクにどう対応するかは別に考えなければならないが。(例えば、週刊東洋経済に連載されている真山仁氏の「ベイジン 二○○八年」を見よ)
ここで、この記事に関係するインドの電力事情について述べてみたい。インドはご存じのよう石油も天然ガスも輸入に頼っており、唯一のエネルギー源であった石炭も不足気味で一部輸入もしているが、石炭の生産と消費では世界第三位である。
インドへは出張で五回ほど行ったことがあり、1990年代初めの出張ではインドにおける石炭ガス化発電の可能性と電力事情の調査を行った。そこで見聞きしたことをまとめると、インドの電力事情の深刻さがわかる。
つまり、インド国内の炭田(東部から中央部にかけて)から消費地へは主に鉄道輸送で行う。この鉄道を走る機関車はほとんどが電気機関車である。インドの雨期は6~9月であり、その期間は方々で道路も鉄道も水浸しとなり、輸送がストップする。そのために火力発電所へ石炭を供給できなくなり停電となる。また、当然ながら工場や鉄道、そして農業設備(灌漑用ポンプなど)の運転も停止する。
一方輸送される石炭のほとんどが瀝青炭であり、品質としては悪くないのであるが、輸送あるいは貯蔵中に暑さのために自然発火し、その後の消火のために灰分や水分が多くなって発熱量が低下し、発電所本来の能力が未達となって電力不足となる。
このようにインド国内の電力状況には多くの問題を抱えており、原油や天然ガス価格の高騰と急激な経済成長を考えると原発の方向に行かざるを得ない。つまり、伊藤氏が言うように”原発への依存を高める”というよりは、それしか生きる道がないのだと思う。
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